忘年会での忘れられないクレーム。宴会での鍋の提供方法。

 

忘年会シーズン。12月の繁忙期はどうしてもクレームが増えてしまいます。

ドリンクご請求。異物混入。洋服の汚損事故。席のダブルブッキング。

などなど。

毎日の忙しさから、クレーム対応にも慣れてしまいクレームすら作業のようにこなしていませんか?

私も、毎年の忘年会シーズンはまず売り上げを取る事に夢中になり、バイトスタッフの人員確保に夢中になり、先輩や上司に教えてもらったであろうオペレーションをただただこなすだけでした。

しかし、店長になって数年がたってくると

本当にこれでいいのか?と思うオペレーションなどが増えてきて、

売り上げを取るのか、店長としてのプライドを尊重するのか?

バイトに売り上げを意識させるのか?このお店で働いているプライドを意識させるのか?

考えるようになっていきました。

そんな事を考えるきっかけとなったクレームです。

スポンサーリンク

忘年会だからって、何で鍋が準備されてんの?

忘年会の時期って、結構なんでもありのお店無いですか?

おしぼりはビニールのまま置きっぱなし。

座布団の位置はバラバラ。コンロは汚い。

鍋の先出し

特に居酒屋チェーンなどでは、忘年会シーズンになると鍋の先出しはスタンダードなオペレーションになってくると思います。

私も大体の店舗に行くとそうだし、そうやって教えてもらってたから。

クレーム内容

12月の中旬を過ぎた週末でした。お店は今年一番の繁忙日を迎え、スタッフは全員意気込んでいました。

開店時にすべての仕込み、テーブルセット、2回転目の準備などチェックし開店準備は万端。

お店が開店し、ピークタイムがくるとお店は盛り上がっていました。

18時に20名様の宴会2件同時スタート。18時30分に30名様の宴会スタート。19時に25名様の宴会スタートと、細かい4名様などの小宴会がスタート。

私は、店長だったので当日はお客様のご案内をしながらインカムマイクで指示をバシバシ飛ばしていました。

そんな中、

「店長、○○卓のお客様が呼んでます」

とスタッフに言われ、行ってみると・・・

「君、店長? 何で呼ばれたかわかる?」

「このお店さ、料理もすごく美味しいし、スタッフもみんないい子なんだけどさ~」

「なんで宴会始まってすぐに鍋が出てくるの?」

「宴会パンフレットって料理の出る順番なんじゃないの?」

「なんかさ~、違うよね~。宴会コースって書いてあるけど、こんなにいっきに料理出てきてさ~、なんか焦らされているような気がするんだけど」

「なんか残念だね」

申し訳ございませんしか言えませんでした。

しかも

「俺たちさ~そこのホテルで料理やってるんだけどさ~、他のホテルスタッフがここのお店すごい良いって言ってたし、店長も良い人だからぜひっておすすめされてきたんだよね~。だから同業として残念でね」

その方達は、いつも営業に行っているホテルの方達で、フロントの方と仲良くなりよく送別会などを行ってもらっている常連様の知り合いでした。

しかも同業者で、料理長と支配人さんでした。(あとホテルの管理職の方)

大激怒なクレームではないけれど、

自分が行っているサービスやお店運営のレベルの低さに気づきました。

同業者の方に残念がられるなんて、なんて恥ずかしいんだろうと思いました。

クレームの事をスタッフに言うと、

「しょうがなく無いですか?ホテルじゃないし、居酒屋チェーンだし、あそこの席2回転目予約入っていたし」

と言われ、

アルバイトスタッフに居酒屋チェーンだからこんな感じでも大丈夫って思っていいっていう風に教え込んでしまった自分が情けなくなりました。

自分の部下(バイトスタッフ)に接客よりもお店の回転とか効率を教え込んじゃったんだな~と後悔しました。

その年はどうにもならなかったのですが、翌年の忘年会シーズンからは鍋の先き出しを禁止にしました。(例外あり)

12月のスローガンを

「鍋の先出しは絶対にしない」

にして、スタッフと取り組みました。

大変だったけど、すべての宴会に意識して取り組めたので12月が終わりスタッフにどうだったか感想を聞くと、達成感でいっぱいな表情を見せてくれました。

スポンサーリンク

鍋の先き出しメリットデメリット

鍋の先き出しのメリット

忘年会での鍋の先出についてはお客様にも利点もあります。

  • 短い時間制限の中で、早めに鍋を出さないと〆もの(うどんや雑炊)までゆっくり食事を出来ない。
  • 鍋は下準備を行って、冷蔵庫などで保存していますから提供時はすごく冷たいです。
  • コンロに火を付けてから沸騰するまで、最大火力で10分くらいは必要でしょう。
  • 他の料理と違い、提供後すぐに召し上がれるわけでも無く鍋の進み具合で〆ものの提供をしなければならないので時間が掛かります。よく、宴会場のかたずけの際〆ものがほとんど手付かずで残っている場合も少なくありません。
  • 鍋ものと〆の食事が終わっていれば、早めにコンロなど下げられるので退店後の片付けがらくになる。

スポンサーリンク

鍋先き出しのデメリット

デメリットは一つのみ。

 

[aside type=”orange”]

お客様の宴会に対して、内容や演出よりも宴会の進行しか考えていない。

ので、つまり

お客様の事を思う気持ちがおろそかになる。

[/aside]

 

鍋の先出しにもお客様の事を考えて出す場合もあるでしょうが、結果先出しに慣れてしまうとお店のスタッフはそれに慣れてしまい、接客が作業になってします。

どんなに忙しかろうと、どんなに大変だろうと、宴会料理の順番はお客様が食べやすいよう作られています。

メインの料理は、前菜や一品があってこそのメインです。

順番通りに出す余裕が無いのなら、なぜ時間内に料理提供が出来ないのか必死で考えましょう。

忘年会シーズンだからこそ、クレームは改善出来る

スタッフにも必死で問いかけ、自店のプライドとしてみんなで取り組みましょう。

そうすれば、一つの宴会に対して担当スタッフは今よりもっと責任感も付き、

他スタッフも意識が付き、フォローもしやすくなります。

宴会の時間管理は大丈夫か?

宴会場のテーブル状況を把握出来ているのか?

何時までに鍋を出さないと宴会がスムーズに進行しないのか?

その為に、宴会スタート前、スタート直後にスタッフはどう動くべきなのか?

大変な時こそ、みんなで協力出来ればアイデアや改善に繋がっていきます。

忘年会シーズンは毎日毎日忙しく、宴会組数も平月の2倍近くあると思います。

人員を使える忘年会シーズンこそ、店長は売り上げだけでは無く、お店の改善に努めて欲しいと思います。

 

本当にこのクレームには、店長としての確固たる何かに気づかされました。
そして、一歩上のステージの店長へ上がるきっかけになったと思います。

クレームは本当に大事だと思います。
特にお店を好きになって下さったお客様からいただくクレームには、お店改善のヒントが数多くあると思います。
僕は結構とんでもないクレームもらう事多いんですが、
過去にはこんなクレームもありました・・・

関連記事⇒えっ!とっくりからゴキブリがお酒と一緒に出て来た?居酒屋チェーンのクレーム実例

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA